アイデアソンとは【目的や進め方など事例とあわせて解説します】

記事更新日：2023年04月05日｜初回公開日：2023年03月30日

現代のビジネス環境では、競争力を維持するためにイノベーションが必要です。創造的なアイデアを発掘し、新しい製品やサービスを開発するためのプロセスとして、アイデアソンという手法があります。アイデアソンは、「アイデア」と「マラソン」を掛け合わせた造語です。新しい製品・サービス・プロジェクト・キャンペーンなどを開発するために、チームやグループでアイデアを出し合いブレインストーミングを行うプロセスです。アイデアソンの参加者は自由にアイデアを提供して、可能性を探ります。今回はアイデアソンのイベントを企業で担当する方に向けて解説していきます。

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アイデアソンとは

アイデアを生み出すための手法

アイデアソンとは、アイデアを生み出すための手法のことです。参加者が自由にアイデアを提案しながら、他のアイデアや既存のアイデアと組み合わせて、発展させていきます。アイデアソンが注目されている理由は、クリエイティブな問題解決をするための創造性やイノベーションを促進することができるからです。アイデアソンはチームやグループでアイデアを出し合い、ブレインストーミングを行うことが一般的です。参加者は自分のアイデアを発表し、他の参加者のアイデアを評価しながら進めます。

アイデアソンとハッカソンの違い

ハッカソンはアイデアを実現する取り組み

アイデアソンと類似しているのが、ハッカソンです。ハッカソンもチームやグループで新しいアイデアを開発することを目的としたイベントですが、その手法や目的において異なる点があります。ハッカソンは、主に技術的なスキルを持つ参加者が中心となり、短期間で新しい製品やサービスを開発することを目的としたイベントです。アイデアを生み出すことはもちろん重要です。しかしそれ以上にハッカソンは実践的なイベントであり、開発のスピードと効率を重視します。

アイデアソンによる効果

主体性が高まる

アイデアソンによる効果は、主体性が高まることです。アイデアソンでは参加者が自由にアイデアを提供して、議論します。自分の意見やアイデアを自由に発言して他の参加者からのフィードバックやアイデアを受け取ることで、自信を持って自分の意見を主張することができるようになります。提供されたアイデアを、より具体的で実現可能なアイデアに絞り込む作業は参加者の協力が重要となります。よって、議論することで、主体性や自己効力感を高めることができます。

さまざまな職種の人材と交流できる

アイデアソンは、さまざまな職種や専門分野の人材が集まり、アイデアを出し合う交流の場とも言えます。このような場で、異なる職種や専門分野の人材が交流することで、新しい視点やアプローチが生まれます。参加者の様々なアイデアを聞くことで、よりクリエイティブなアイデアの発掘や問題解決につながります。さらに、異なる職種の人々と交流することで、自分自身のキャリアやスキルアップにもつながります。また、異なる職種の人々と交流することで、自分自身のキャリアやスキルアップにもつながる可能性があります。

ディスカッション能力が身につく

アイデアソンに参加することで、ディスカッション能力が身につきます。アイデアソンでは、参加者が自由にアイデアを出し合い、議論を重ねることが求められます。そのため、自分の考えを適切に相手に伝え、他の参加者からの意見を受け止めましょう。他の参加者の意見を受けて、自分の考えを改善する能力も必要です。このような議論を通じて、自分の意見を主張する能力や相手の意見を理解する能力や、議論をリードする能力が上がるでしょう。その結果、ディスカッション能力を身につけることができます。

アイデアソンの進め方

チームを分ける

アイデアソンの進め方は、チームを分けることから始めます。チームは、複数の参加者が協力してアイデアを出し合うことで、より多角的な視点やアイデアを生み出すことができます。また、チーム間の競争心も刺激され、より優れたアイデアが生まれ易くなるでしょう。チームの分け方は、テーマごとに分ける方法があります。テーマに関する知識やスキルを持っている人同士をまとめる方法です。この方法は、テーマに詳しい人同士でアイデアを出し合うので、深い議論を進めることができるので効果的と言えます。

テーマの説明と問題定義を行う

アイデアソンでは、参加者たちが共通のテーマや問題についてアイデアを出し合うために、テーマの説明と問題定義を行いましょう。テーマの説明では、どのような問題を解決するためにアイデアソンを行うのか、どのような背景があるのかなどを説明します。これによって、参加者たちはテーマについて共通の理解を持つことができます。問題定義では、どのような問題があるのか、その問題がどのような影響を与えているのかなどを説明します。

チーム内でアイデアを出し合う

アイデアソンは、チーム内でアイデアを出し合いながら進めましょう。チームは個々の参加者たちがアイデアを出し合い、議論することにより、イノベーションを起こすようなアイデアを生み出すための場として機能します。アイデアソンは、時間制限を設け、アイデアを出しやすいような環境を整えることで進めやすくなります。また、参加者たちはお互いにアイデアを発表しあい、それに対して意見を出し合うことで、よりよいアイデアを生み出すことができます。

アイデアを整理して発表する

アイデアソンの進め方は、最後に出し合ったアイデアを整理してから発表します。アイデアを整理して発表することで、参加者たちはより明確なアイデアを共有することができます。流れとしてはまず、チーム内で出されたアイデアをリストアップします。次にアイデアを似たようなもの同士でグループ化し、グループごとにアイデアを詳細に説明します。そのアイデアの背景やメリットをまとめ、プレゼンテーション用のスライドや資料にしましょう。

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アイデアソンを成功させるポイント

実施の目的を明確にする

アイデアソンを成功させるためのポイントは、実施の目的を明確にすることです。アイデアソンの目的は、新しいアイデアを生み出すことや、既存の課題を解決することなど、様々なものがあります。そのため、アイデアソンを実施する前に、どのような目的を持っているのかを明確にすることが重要です。目的が明確になることで、参加者たちはアイデアソンに参加する際の目標を理解し、効果的なアイデアを出すことができます。よって、開催前にテーマを公表しておくことで、スムーズな進行を行うことが出来ます。

テーマを絞りすぎない

アイデアソンにおいて、テーマを絞りすぎないことが重要です。テーマを絞りすぎると、参加者が自由な発想をできなくなり、アイデアの幅が狭くなる可能性があります。例えば、新しい製品のアイデアソンを行う場合、製品の機能や形状などをあらかじめ決めてしまうと上手くいかなくなる可能性があります。参加者たちはその範囲内でしかアイデアを出すことができなくなり、新しいアイデアが生まれにくくなってしまいます。そのため、テーマを設定する際には、ある程度の幅を持たせながら目的や問題定義を明確にすることが重要です。

多様なメンバーを募る

アイデアソンを成功させるためには、多様なメンバーを募ることが重要です。異なる経験を持つ人々が集まることで、新しい視点やアプローチが生まれ、創造的なアイデアが生まれやすくなります。例えば、技術者だけで行われたアイデアソンでは、技術的なアプローチが優先されてしまいます。また、年齢や性別、国籍、文化的背景なども異なるメンバーを募ることが重要です。多様なバックグラウンドを持つメンバーがいることで、より幅広い視点からアイデアを出し合うことができます。

事前説明を入念に行う

事前説明を入念に行うことが、アイデアソンを成功させるためには重要です。事前説明では、アイデアソンの目的やテーマ、進め方、参加者の役割などを明確に説明することが必要となります。アイデアソンで何を解決して、何を実現するのかを説明しましょう。その結果、参加者たちはより具体的なアイデアを出しやすくなります。他にも、チーム分けやアイデア出しのルール、発表の形式なども説明しましょう。説明することで、参加者たちはアイデアソンの進め方を理解しやすくなります。

アイスブレイクの時間を設ける

アイスブレイクの時間を設けることは、アイデアソンを成功させるための重要なポイントのひとつです。アイスブレイクとは、参加者たちがお互いを知り合い、打ち解けるための短い活動のことを指します。アイスブレイクの時間を設けることで、参加者たちがリラックスし、コミュニケーションがスムーズになることでアイデアソンの雰囲気を和やかにすることができます。例えば参加者たちに自己紹介をしてもらい、名前や職業、趣味などを紹介してもらいましょう。アイスブレイクの時間は、アイデアソンの全体の時間のうち、5〜10分程度を目安に設けることが望ましいです。

批判的な意見は控える

アイデアソンを行う際には、批判的な意見を控えるように事前に説明を行いましょう。アイデアソンは、参加者によるブレインストーミング形式で行われます。ブレインストーミングでは参加者の発言に対して好意的に受けとり、建設的な意見として出す必要があります。参加者の発言を批判することではなく、その発言を発展させ、改善するための意見を提供することが望ましいです。必要に応じて批判的な意見を出す場合は、その発言を発展させるために、自分自身が提供できる解決策やアイデアを一緒に提示しましょう。

アイデアソンの事例

国土交通省

国土交通省は、様々な課題に対してアイデアソンを実施し、多様なステークホルダーからアイデアを募集しています。例えば、国土交通省は「歩行者移動支援のためのオープンデータ活用ハッカソン」を開催しました。開催の目的は、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、大会期間中の歩行者の円滑な移動を支援することです。このハッカソンでは、参加者がオリンピック期間中に実施されるイベントや競技会場周辺の状況を把握するためのアイデアを募集しました。他にも、交通機関のダイヤ情報、天気予報などのオープンデータを活用して、歩行者の移動支援に役立つアプリやシステムを開発することが求められました。

ソニーセミコンダクタソリューションズ

ソニーセミコンダクタソリューションズは、「Sensing Solutionアイデアソン・ハッカソン2022」を開催しました。対象は高校生・大学生・大学院生です。テーマは、IoTデバイスを利用し、社会課題解決につながるセンシングソリューションのアイデアを創出することです。イベントは1次審査と2次審査を行います。2次審査を通過したファイナリストによる発表会をオンラインで行い、審査員による表彰を行います。審査基準は3つに分かれ、提案の独創性・社会的必要性・実現性です。これらをIoTでデバイスによる実現性が審査されます。

まとめ

アイデアソンで社内にイノベーションを起こしましょう

アイデアソンは、社内のイノベーションを促すために有効な手法です。アイデアソンに参加する社員は、チームを組んで問題解決のためにアイデアを出し合います。ここで大切なのは、上司や先輩に意見を言いやすい雰囲気をつくることです。また、アイデアの出し合いだけでなく、アイデアを形にするための具体的なアクションプランを立てることが必要です。アイデアが実現するためのステップを明確にすることで、社員が自発的に取り組むことができます。アイデアソンを活用して、社内にイノベーションを起こしましょう。